導入|MVVが“ある”会社と、“使われている”会社の違い
ほとんどの会社には、MVVがある。
額縁に入っていたり、Webサイトに載っていたり、
採用資料の最初に書かれていたりもする。
それなのに、現場ではこう言われる。
「MVVはあるけど、判断には使っていない」
なぜか。
MVVが悪いわけではない。
言葉が抽象的だからでもない。
MVVが“例外”で壊されているからだ。
第1章|判断基準を壊すのは、たった一度の「例外」
MVVが最もよく壊れる瞬間は、次のような場面だ。
数字が厳しいとき
トラブルが起きたとき
急ぎの案件が入ったとき
そのとき、経営者や幹部がこう言う。
「今回は特別に」
「今はそれどころじゃない」
この一言で、MVVは“判断基準”ではなくなる。
現場は学習する。
「大事にすると言っていた価値観は、
都合が悪くなると使われないんだな」
この学習が、組織全体に静かに広がっていく。
【CAOポチのひと吠え】判断基準は、 守った回数ではなく、 破った回数で評価される。
第2章|MVVが機能しない会社の3つの共通点
MVVが現場で使われなくなる会社には、はっきりした共通点がある。
① 経営者が“説明しない”
なぜその判断をしたのか、MVVとどう関係しているのかを語らない。
② 幹部ごとに解釈が違う
同じMVVなのに、部署によって判断が変わる。
③ 現場に判断権限がない
「考えなくていいから言われた通りやって」
この状態では、MVVは思考停止ワードになる。
MVVは、使わせないと、消えていく。
第3章|校長が「やり方」を変えずに結果を変えられた理由
第1話で触れた、校長の話をもう一度思い出してほしい。
彼は、前任の校長がやっていたことを、大きくは変えなかった。
だが、毎回こう語ったという。
なぜそれを大事にするのか
どんな判断はしないのか
迷ったら、何を優先するのか
方法は同じ。
判断基準だけが違う。
それだけで、現場の空気と結果は変わった。
経営も同じだ。
制度を変えなくても、
施策を増やさなくても、
判断基準を語るだけで、組織は変わる。
第4章|MVVは「決断のあと」に語られてこそ意味を持つ
多くの会社は、MVVを“決断の前提”として置いている。
だが本当は違う。
MVVは、決断のあとに語られるべきものだ。
なぜこの選択をしたのか
どの価値観を優先したのか
何を捨てたのか
これを言語化し続けることで、MVVは初めて「生きた判断基準」になる。
【CAOポチのひと吠え】MVVは、 壁に貼るものじゃない。 決断の理由として、 何度も口にするものだ。
結章|判断基準を語らない経営は、継承できない
判断基準を語らない会社では、
人は育たず
権限は渡せず
採用も定着もしない
なぜなら、「何を基準に動けばいいか」が分からないからだ。
MVVとは、理念ではない。
未来の意思決定を、他者に委ねるための設計図だ。
それを語れるのは、経営者しかいない。
【CAOポチのひと吠え】MVVが機能しない理由は、 言葉が弱いからじゃない。 語る覚悟が、足りないだけだ。
署名
CAOポチ(Chief Animal Officer / FANTAS Division 編集長)
“判断基準を語れない経営は、例外で崩れる。”―CAOポチ
次回予告
なぜ、採用は経営者の最優先ミッションなのか
― 判断基準は「採用」で最も露骨に表れる ―





